京都大学 数理解析研究所 共同研究集会
「乱流現象と力学系的縮約」

開催日程 平成 17年 1月 12日(水) -- 14日(金)
開催場所 京都大学 数理解析研究所 (アクセス)
研究代表者 藤 定義 (京都大学 理学研究科)

乱流現象は多様であるにも関わらず、ナビエ・ストークス方程式に基づく第一 原理からの理解は理想的な流れに対する統計理論に限られている。一方、乱流場 には様々な秩序構造や秩序過程が存在することが知られており、乱流の乱れ生成 や各種輸送、混合現象に寄与していると考えられているが、その幾何学及び動的 な特性をナビエ・ストークス方程式に基づく第一原理から理解することは未解決 の課題であった。

しかし、壁乱流における乱れ生成機構や場の統計性質が定常解や周期解から理 解できること示した一連の研究は、 乱流に内在する秩序構造や秩序的な過程に 対応する比較的低次元の解や大域的な構造が存在すること、更に、シェルモデル による研究は、発達した乱流カスケード過程にすら対応する低次元の解が存在し 得ることをそれぞれ示唆している。この意味で、位相空間の構造に着目すること で乱流現象の記述を縮約することが出来ると期待される。

本研究集会は、このような力学系的縮約の方法が適用出来る乱流現象の範囲 を明らかにし、未成熟である数学的、数値計算的手法の開発と確立を目指し、 更に乱流以外の研究との関連を探るために、普段交流の少ない関連分野の研究者 が議論する場となることを目的とする。


プログラム
(PDF version)

1月12日(水曜日)
10:30 -- 11:00 神田 英貞 (会津大コンピュータ理工)
円管内流・層流乱流遷移はサイエンスの問題か
11:00 -- 11:30 関 勇祐*、秋永 剛、水島 二郎 (同大工)
2円柱を横切る流れの不安定性と遷移
11:30 -- 12:00 加賀 義人* (名大工)、柳瀬 眞一郎 (岡大工)
回転平板間乱流の秩序渦構造
12:00 -- 12:30 横山 直人* (同大エネルギー変換研究センター)、水島 二郎 (同大工)
拡散火炎のもたらす流れの動的性質

13:30 -- 14:00 後藤 晋*、木田 重雄(京大工)
流体線や面の伸長率のレイノルズ数依存性
14:00 -- 14:30 平 寛史、高橋 直也*、宮嵜 武 (電通大)
力学系としての準地衡風乱流
14:30 -- 15:00 谷口 由紀* 、 山田道夫(京大数理研)、石岡圭一(京大理)
回転半球面上の西岸強化流の安定性

15:30 -- 16:30 小林 未知数 (大阪市立大理)
量子流体における乱流現象とエネルギースペクトル:Gross-Pitaevskii方程式による解析
16:30 -- 17:00 三谷 陽 (大阪市立大理)
超流動ヘリウム中での乱流遷移

1月13日(木曜日)
9:00 -- 9:30 上之 和人* (名大工)、坂口 英継 (九大総合理工)、岡村 誠 (九大応力研)
Renormalization group and numerical analysis of a noisy Kuramoto-Sivashinsky equation in 1+1 dimensions
9:30 -- 10:30 Lennaert van Veen*, Genta Kawahara and Shigeo Kida (Kyoto Univ.)
Periodic motion representing isotropic turbulence

11:00 -- 11:30 川崎 光宏 (新潟大工)
大自由度カオス力学系の状態アンサンブル
11:30 -- 12:30 古澤 力 (阪大情報)
統計量による細胞状態の記述 --遺伝子発現のZipf則について--

13:30 -- 14:00 佐野 孝好 (阪大レーザ研)
降着円盤における磁気回転不安定の飽和機構について
14:00 -- 15:00 小山 博子* (早大理工)、小西 哲郎 (名大理)
長距離相互作用を持つハミルトン系における秩序構造形成

15:30 -- 16:00 小山 洋* (神戸大)、犬塚 修一郎 (京大理)
宇宙の希薄流体における乱流のシミュレーション
16:00 -- 16:30 大木谷 耕司*(京大数理研), P. Constantin(シカゴ大数学)
Euler-Lagrange 定式化による磁気流体力学方程式の解析
16:30 -- 17:00 磯部 洋明 (京大理)
太陽浮上磁場のレイリーテイラー不安定と磁気リコネクション
17:00 -- 17:30 森 啓介*、後藤 俊幸 (名工大)
MHD乱流のスペクトルとエネルギーカスケード

18:30 -- 懇親会

1月14日(金曜日)
9:00 -- 9:30 藤 定義*、佐藤 海 (京大理)、板野 智昭 (京大工)
チャネル乱流における外層スケールをもつ数値的厳密解
9:30 -- 10:00 三宅 裕*、藤井 貴広 (福井工業大学)
ウエーブレットによる粗面の規定と設計
10:00 -- 10:30 河原 源太 (京大工)
ミニマル平面クエット流の不安定周期解と乱流制御

11:00 -- 12:00 辻 義之 (名大工)
乱流境界層の平均速度プロファイルと乱れの構造 ===その普遍性をもとめて===
12:00 -- 12:30 石原 卓、長田 將明、金田 行雄* (名大工)
Box乱流の大規模DNS結果から見たChannel乱流

13:30 -- 14:00 岩本 薫* 、笠木 伸英、鈴木 雄二 (東大工)
Re_tau=2320のチャネル乱流DNS
14:00 -- 14:30 吉田 恭* (筑波大数理物質)、金田 行雄 (名大工)
乱流における大スケールデータ同化による小スケールの再生
14:30 -- 15:00 戸田 卓也*、後藤 俊幸 (名工大)
乱流におけるエネルギーカスケードの統計

15:30 -- 16:00 毛利 英明*(気象研)、高岡 正憲(同大)
エネルギー散逸率の大スケール変動
16:00 -- 16:30 渡邊 威*、後藤 俊幸(名工大)
パッシブスカラー乱流における間欠性とスケーリング
16:30 -- 17:00 あらきけいすけ*(岡山理大工)、三浦 英昭(核融合研)
渦構造の非線形相互作用のウェーブレット解析

講演者、タイトル、要旨 一覧

あらきけいすけ*(岡山理大・工)、三浦英昭(核融合研)
渦構造の非線形相互作用のウェーブレット解析

一様等方乱流中の渦構造に伴う非線形相互作用を 非発散正規直交ウェーブレット基底を用いて解析した 結果について、可視化データを中心にして報告する。


古澤 力 (大阪大学 情報科学研究科)
統計量による細胞状態の記述 --遺伝子発現のZipf則について--

分子生物学の発展によって得られた細胞内化学反応ネットワークの詳細な情報から、 内在する普遍的構造を切り出すことによって、生物システムを理解することを試みている。 本講演では、遺伝子発現量が従う普遍則を紹介し、その出現のメカニズムを議論したい。


後藤晋*(京大・工)、木田重雄(京大・工)
流体線や面の伸長率のレイノルズ数依存性

流体線や面の伸長率をコルモゴロフ時間の逆数で規格化したときに 現れるレイノルズ数依存性について、直接数値計算の結果を交えて 議論します。


磯部 洋明 (京都大学大学院理学研究科)
太陽浮上磁場のレイリーテイラー不安定と磁気リコネクション

太陽大気はフレア、ジェット、コロナ質量放出などの活動現象に満ちている。 これらの活動現象の原因は、プラズマ中で磁気リコネクション、即ち磁力線の つなぎ変わりにより、磁場のエネルギーが突発的にプラズマの熱、運動エネル ギーに変換されるためだと考えられている。表面の詳細な観測が可能な唯一の 天体である太陽大気は、あらゆる天体の磁気的活動現象を理解する基礎を与え るだけでなく、高磁気レイノルズ数プラズマの振る舞いなど、プラズマ物理学 の実験室としても重要な役割を果たす。

磁気的活動現象の源泉である黒点は、内部からの磁場の浮上により形成される。 我々は浮上磁場領域の構造形成とそれに伴う磁気リコネクションについて、 超巨大計算機である地球シミュレータを用いた磁気流体シミュレーションを 行い、いくつかの観測事実を説明するようか以下のモデルを提唱している。 (1)重い彩層のプラズマを持ち上げつつ浮上する磁場中では、磁気レイリーテ イラー不安定によりフィラメント状の構造を形成する。(2)電流が強い所で 抵抗が発生するような異常抵抗モデルでは、レイリーテイラー不安定の 上昇部分と既存のコロナ磁場との間で局所的に抵抗が増大し、速い磁気 リコネクションが非一様なパッチ状に起こる。

これらのフィラメント構造やパッチ状リコネクションは、太陽大気において 普遍的にみられるものである。また近年、異常抵抗の発生するミクロな スケール(約1m)と太陽フレアの空間スケール(約1万km)の間の膨大なスケール ギャップを埋めるために、乱流やフラクタル構造を考えたプリミティブな リコネクションの理論モデルが提唱されている。我々がシミュレーションで 発見したような構造形成とパッチ状リコネクションは、あらゆる空間スケールで 起きる可能性があり、リコネクション領域における乱流の発生メカニズムと しても有力かもしれない。


岩本 薫* (東京大学大学院工学系研究科),笠木 伸英 (東京大学大学院工学系研究科),鈴木 雄二 (東京大学大学院工学系研究科)
Re_tau=2320のチャネル乱流DNS

Re_tau=2320のチャネル乱流DNSを地球シミュレータを用いて行った. 大規模構造が壁近傍の統計量に与える影響,及び, 大規模構造の自立性について評価した.


加賀義人*(名古屋大学)、柳瀬眞一郎(岡山大学)
回転平板間乱流の秩序渦構造

回転平板間流中には、シアー・コリオリ不安定によりアンチサイクロニック領 域に縦渦が密集して現れる。本研究では、回転平板間乱流中の秩序渦構造を低自 由度の流れ場のものと比較を行う。


神田 英貞 (会津大学・コンピュータ理工)
円管内流・層流乱流遷移はサイエンスの問題か

円管内流・層流乱流遷移の理論解は未解決である。実験者毎に臨界値は異 なる。この問題がサイエンスであるならば、時代を超えて誰が実験をして も再現性は必須である。再現事実を見いだし、理論研究の開始点とすべき である。


石原 卓、 長田 將明、  金田 行雄* (名大、工)
Box乱流の大規模DNS結果から見たChannel乱流

周期境界条件下の乱流(BOX乱流とよぶ)の格子点数4096^3までに およぶ大規模直接数値シミュレーション(DNS)から得られる知見 から見た、Channel乱流のDNSあるいはモデル化について議論する。


河原源太(京大工)
ミニマル平面クエット流の不安定周期解と乱流制御

ミニマル平面クエット乱流の静穏状態を表す不安定周期 解の性質とこの不安定解に着目した乱流制御の試みにつ いて報告する.相空間における周期軌道の不安定方向に 状態点が推移するよう系に微小な制御入力を加えて乱流 アトラクターの吸引域を脱し,流れの層流化を図る.


川崎光宏(新潟大学工学部機能材料工学科)
大自由度カオス力学系の状態アンサンブル

我々は、昨年、大自由度カオスの巨視的性質をそれ一本のみで記述する 周期軌道のアンサンブルの構成方法を提案した(M. Kawasaki and S. Sasa, nlin.CD/0408013)。 しかし、大自由度系において周期軌道を発見することは一般に困難であるため、 軌道アンサンブルを用いず直接に状態アンサンブルを得ることが望ましい。 今回、大自由度カオスの簡単なモデル系で、構成の容易な状態アンサンブルにより 巨視的性質を記述することに成功した。


小林 未知数 (大阪市立大学理学部物理学科)
量子流体における乱流現象とエネルギースペクトル:Gross-Pitaevskii方程式による解析

私は量子乱流を最も簡単に記述することのできるGross-Pitaevskii方程式に、圧縮性の素励起のみを 散逸させることのできる散逸項を導入することにより、非圧縮性古典乱流の統計側であるコルモゴロフ則を 見出した。


小山博子* (早稲田大学理工学部物理学科)、小西哲郎 (名古屋大学理学部物理学科)
長距離相互作用を持つハミルトン系における秩序構造形成

多自由度力学系における空間構造の起源を解明することは、分子系、 プラズマ系、重力系など物理学の多くの分野において重要である。 我々は特に、その構造がハミルトン系の運動方程式の時間発展によって 創発される場合について、その振舞いを如何に記述し理解できるかに 興味を持っている。

本講演では、一例として、1次元重力多体系において、ランダムな 初期状態からフラクタルな空間構造が自発的に形成される現象を紹介する。 これはハミルトニアンで記述される保存系の緩和過程において、一時的に 顕著な空間構造(ここではフラクタル)がつくられる例であり、多自由度 ハミルトン系の多彩な現象のひとつである。

講演では、この現象の特徴について現時点までに分かってきたことを 報告する。特に、実空間でフラクタル構造が形成されていく過程で、 位相空間において渦が形成されていく現象に着目し、乱流場における 秩序構造や秩序過程との関連を探りたい。


小山洋*(神戸大)、犬塚修一郎(京大)
宇宙の希薄流体における乱流のシミュレーション

宇宙空間に漂う希薄なガスを観測すると至るところで超音速のドップラー変移 が見られる。我々はこの乱流状態にあるガス運動を理解するために数値シミュレー ションを行っている。本講演では輻射冷却によって駆動される乱流生成メカニズム について言及する。


三谷 陽 (大阪市立大学理学研究科)
超流動ヘリウム中での乱流遷移

最近、超流動ヘリウム中での乱流遷移は古典流体でのReynolds数に類似した、 超流動固有のパラメータにより支配されることが明らかにされた。 本講演では、この超流動乱流遷移に関連した我々の最近の研究を紹介する。


三宅 裕*、藤井貴広 (福井工業大学)
ウエーブレットによる粗面の規定と設計

CFDの粗面境界を平面として取扱うためのモデルをとして、 ウエーブレット分解に基づく粗面の規定法と、任意の統計的 性質をもつ粗面を設計する方法を提案する。表面工学からも 幅広い需要があって、解析例はシリコンウエーファー面。


森啓介*、 後藤 俊幸(名工大)
MHD乱流のスペクトルとエネルギーカスケード

3次元定常MHD乱流における運動エネルギー、磁場エネルギー、そして全エネルギーのスペクトルの振る舞い、4/3法則などのレイノルズ数依存性について報告する.そして、各エネルギーの波数空間内でのカスケードフラックスの平均値と揺らぎについての解析をDNSに基づいて行う.波数空間での局所性については乱流のそれと比べる予定.


毛利英明*(気象研)、高岡正憲(同志社大)
エネルギー散逸率の大スケール変動

コルモゴロフの乱流理論では、小スケールでの統計は、動粘性係数と平均エネルギー 散逸率で一意的に決まるとする。これに対しランダウは、局所的なエネルギー散逸率 がエネルギー保有渦のスケールで変動し、小スケールでの統計に影響を及ぼすと考え た。私達は、実験により、局所的な散逸率が大スケールで顕著な変動を示すことを見 い出した。その振幅は、相関長のスケールで、平均散逸率と同程度である。このエネ ルギー散逸率の大スケール変動の性質と、小スケールにおける統計への影響について 議論したい。


大木谷 耕司*(京大数理研), P. Constantin(シカゴ大数学)
Euler-Lagrange 定式化による磁気流体力学方程式の解析

Navier-Stokes 方程式に対する、Euler-Lagrange 定式化を 磁気流体力学の場合に拡張する。2つのヘリシティの保存則 に対して、2種のWeber変換があるが、接続テンソルは1つ で良いことを示す。磁気リコネクションについての数値計算 についても報告する。


佐野 孝好 (大阪大学レーザー研)
降着円盤における磁気回転不安定の飽和機構について

磁気回転不安定によって生じる磁気乱流は降着円盤の角運動量輸送機 構として重要視されている。我々は不安定性の飽和がどのようにして 起こるのかを数値シミュレーションを用いて解析している。


関勇祐*、秋永剛、水島二郎(同志社大学工学部)
2円柱を横切る流れの不安定性と遷移

一様流中に流れと垂直におかれた2円柱を横切る流れについて 定常解を数値的に求めてその安定性を調べた。また、数値シミュ レーションを行い,流れの遷移とその分岐構造について詳しく調べ, 流れの遷移が2円柱の間隔に依存して変化することを明らかにした。


平 寛史、高橋 直也*、宮嵜 武 (電気通信大学)
力学系としての準地衡風乱流

大気や海洋などの地球流体現象には秩序渦構造が存在し、その相互作用は乱流を支配することが知られている。このような流れ場は、準地衡風近似で記述することが多い。本講演では、準地衡風近似下における乱流について、これまでの研究背景と、最近の筆者らのモデルを紹介する。


谷口由紀* (京大数理研)、 山田道夫(京大数理研)、石岡圭一(京大理)
回転半球面上の西岸強化流の安定性

回転球面上における非圧縮性2次元流を考える. 子午線を境界とする 半球面を流れ領域とするとき, 東西風の強制のもとで西岸強化流が 現われる. この西岸強化流の安定性を, 東西風の強さをパラメータ として調べ, Hopf分岐の出現と, 不安定性の発生域およびその周辺 における不安定モードの振舞いについて, 東西風の強制を様々に変 化した場合も含めて報告する.


戸田 卓也*、 後藤 俊幸(名工大)
乱流におけるエネルギーカスケードの統計

3次元定常乱流におけるエネルギーカスケードフラックスの平均値と揺らぎについての解析をDNSデータに基づいて行う.とくに、波数空間での局所性については乱流のスペクトル理論との比較を行う.また、高次統計についても報告する.


藤定義*、佐藤海 (京大理)、板野智昭(京大工)
チャネル乱流における外層スケールをもつ数値的厳密解

発達した壁乱流では、乱れ生成に寄与する壁近傍領域の秩序構造と外層の大規模構造 の典型的な秩序が存在する。前者は、定常進行波解や周期解により理解される。我々 は、(1)大規模秩序構造にも対応する定常進行波解が存在する、(2)構造のレイノル ズ数依存性がReの冪展開による摂動論に従うこと、(3)壁近傍領域と外層がそれぞれ の構造のダイナミックスが結合した系として記述できる可能性があること、を報告す る。


辻  義之(名古屋大学工学研究科)
乱流境界層の平均速度プロファイルと乱れの構造 ===その普遍性をもとめて===

平板乱流境界層の平均速度プロファイルには 普遍速度分布(対数・べき)が観測される。 このとき変動速度や圧力変動など乱れの構造は、どのような特性を備えるのか、また整構造(Coherent Structure)は、上記の普遍性に必要不可欠な条件なのか、を実験データに基づき考察したい。


上之和人*(名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻)、 坂口英継(九州大学総合理工学府量子プロセス理工学専攻)、 岡村誠(九州大学応用力学研究所)
Renormalization group and numerical analysis of a noisy Kuramoto-Sivashinsky equation in 1+1 dimensions

Yakhotは, Kuramoto-Sivashisky(KS)方程式の解の長時間、長距離 での統計的性質が、成長する荒れた界面を記述するKardar-Parisi-Zhang(KPZ) 方程式(あるいはノイズをいれたBurgers方程式)と一致するということを 主張した。しかし、これまでのKS方程式の数値計算では、システムサイズを いくら大きくしてもなかなかKPZ方程式のスケーリング指数を見出すことが できなかった。 Yakhotの主張を検証するために、今回、1次元のKS方程式に ノイズをいれてくりこみ群(RG)を適用した結果、界面の粗さ指数や動的 指数の値は KPZ方程式のそれに一致した。また、RG flowを解析 した結果、ノイズの強さが大きいほどはやく KPZ方程式の固定点に近づくことが わかった。実際に、ノイズを加えたKS方程式の直接数値計算でも、ノイズの 強さを大きくすることによって、それほど大きくないシステムサイズと計算 時間で KPZ方程式のスケーリング指数を見出すことができた。


Lennaert van Veen*, Genta Kawahara and Shigeo Kida (Kyoto Univ.)
Periodic motion representing isotropic turbulence

In the paradigm of dynamical systems theory turbulence is a form of high dimensional chaos. It is represented in phase space by a strange attractor which consists of a countable infinity of Unstable Periodic Orbits (UPOs). From this point of view, UPOs are natural objects to study when investigating turbulence. They represent uniquely determined spatio-temporal patterns that can be continued in the system parameters.

The main difficulty in studying UPOs in turbulence is the large number of degrees of freedom. A direct numerical simulation of developed isotropic turbulence requires in the order of a million degrees of freedom and that is too much for the standard numerical methods of dynamical systems theory.

We use reduction by symmetry to tackle this problem. The high-symmetric or Kida-Pelz flow can be used to simulate developed isotropic turbulence with only about 10.000 degrees of freedom. We study unstable periodic motion in this flow and its dependence on the micro scale Reynolds number. Comparing several time averaged physical quantities of the periodic motion to those of turbulent motion we show that periodic motion of sufficiently long period can represent the turbulence. We discuss our work in the light of the "cycle expansion" theory, developed by Cvitanovic for low-dimensional systems and speculate about future applications.


渡邊 威* (名工大)、 後藤 俊幸(名工大) 
パッシブスカラー乱流における間欠性とスケーリング

一様等方乱流中のパッシブスカラー場の統計性質について、高解像度DNSを 行った結果を議論する。特にスカラー場がランダムなソースによって定常に 保たれる場合と、一様な平均スカラー勾配が存在する場合における統計性質の差異に ついて議論したい。


横山直人*(同志社大学エネルギー変換研究センター)、水島二郎(同志社大学工学部)
拡散火炎のもたらす流れの動的性質

噴流拡散火炎における化学反応と流れの相互作用を数値計算により調べ, 熱放出による流れの変質の動力学を考える. また,従来の燃焼の研究において用いられている種々のモデルとの比較を行う.


吉田恭*(筑波大学大学院数理物質科学研究科)、金田行雄(名古屋大学大学院工学研究科)
乱流における大スケールデータ同化による小スケールの再生

乱流場の大スケールの時々刻々のデータのみから小スケ ールの場が構築される可能性を、直接数値シミュレーシ ョンを用いて調べた。小スケールを構築するのに必要な 大スケールデータの定量的評価を報告する。





$Date: 2004/12/10 05:49:53 $
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